禅思想の影響を受けている
スティーブ・ジョブズは、
製品ラインを多様化しないことで有名だ。

アップル製品の、
フラグシップシリーズは
カラーバリエーションが
ホワイトとブラックしかない。

というのも、ジョブズは
禅思想にハマっていたので
製品に限らずマックはデビューから
モノクロを広告に使ってきたほどだ。
(水墨画をイメージしていた)

ところが、
そんなアップルもある時期から、
カラーバリエーションを取り入れたのだ。

それはエントリーマシンの
位置づけの製品に対して、のこと。
(エントリーマシンとは
 マック、アイフォン、アイパッドなど
 低価格な最初のモデルのこと)

つまり、
マック、アイフォン、アイパッドなどは
カラフルなバリエーションが
出るようになったのだ。

これに気づいていた人は
いったいどれくらいいるだろうか?

そして大々的なプロモーションとともに、
ユーザーにこう問いかけた。

「あなたはどれにしますか?」と。

こう聞かれると消費者の意識は
「iPodわ買うか買わないか」の判断から、
「どのiPodにしようかな」に置き換わる。

これこそジョブズマジックだ。

「何色がいいだろう?」と
考えはじめたら、あとは簡単だ。

店員は、それぞれの違いを説明して、
お客さんが「自分に1番合うのはこれだ」
と結論を出すのを待つだけ。

これはジグソーパズルの
最後の1ピースをお客さんに渡して
自分が決めたのだという当事者意識を
芽生えさせているテクニックでもある。

不思議なもので、
この商法でアップル製品を買った人は
翌日には職場で、自慢げに
友人に語っているわけだ。

「iPodはこの色が1番だよ」と…。

ジョブズマジックは1度かかれば、
もうとけることのない魔法なのかもしれない。

-やなぎおか

PS.
忘れないでください。
僕らは、僕らが目指す成功まで
あとチャレンジ1回のところまで
きてるということを。