From:柳岡亮

以前、記事でも書きましたが
その続編ということで顧客志向の問題点について、です。

顧客志向のもうひとつの問題、
それは「価格が下がる」ということです。

顧客志向とは、つきつめると
「お客さんの要求に答えること」
ということは前回お話ししました。
その要求の中でも「無言の要求」が危険です。

例えば、
通販で翌日着というサービスがよくあります。

これは
「買ったものをすぐに欲しい!」という
無言の要求を形にしたものです。

例えば、相見積もり。

これは他の業者と価格を比べられて、
「安くしてよ」というお客の無言の要求です。
これを飲まなければ、購入の決断はしてくれません。

この無言の要求が
どんどんエスカレートしている状態が、
競合との競争が激しい状態、と言えます。


他にも買うところがあるのだから、お客が優位になり、
「もっと、もっと・・・」となるわけです。

そして、その究極が
「良いものを、より安く」です。

良いものを安くというのは、
論理的にありません。

良いものを提供すれば、
それだけのコストがかかるわけですから。

しかし、お客はそれを求めます。

結果、利益をどんどんお客に食われることとなり、
ビジネスが立ち行かなくなることがわかります。


そして、もうもうひとつ、
顧客志向の最大の問題点があります。

それは「顧客満足度が下がる」ということです。

普通に考えれば、
「顧客志向で満足度が上がる」
と思われるかもしれません。

しかし、それは間違いです。

前回お話しした通り、
お客さんが欲しいものと
お客さんにとって必要なものは違います。

で、重要なのはここからです。

お客さんにとって必要なものではなく
欲しいものを売ると、成果は出ますか?

出ない、ですよね。
食べながら痩せる、
なんてあり得ないわけですから。

ということは、
当然、満足してもらえません。


また、成果が出る商品だとしても
お客さんがあなたの言う通り
商品を使ってくれなければ?

・・・成果は出ませんよね。

あなたがお客さんの要求を
聞く立場になってしまったら、
お客さんはあなたの言うことを
聞いてくれません。

で、やはり成果が出ず、満足度はあがらないわけです。

つまり、顧客志向は、
お客に成果を出させることを放棄し、
満足度が下がるという結果にしてしまう、
ということなのです。

この観点からも顧客志向は捨てるべき常識だ、と言えます。

【結論】
顧客志向は
価格の下落を招くだけでなく、
顧客満足度を下げることになる
最悪の「常識」である。

ー柳岡亮

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