From:柳岡亮

あなたの周りにも
「なんで売り込んでいないのに
 良いお客さんばかり集まるの?」

と不思議に思う同業っていないだろうか。

その不思議な現象について
シリーズとして定期的に解説していこうと思う。

で、今回がシリーズ最初となるわけだが
最初の事例は整体院の事例。

なぜ、整体院かというと
僕のメルマガを読んでくれている
とある整体院のオーナーさんからいただいた

「整体院のマーケティング事例ありませんか?」
という、たった1通のメールがキッカケとなって
この企画がスタートした。

そんなわけで、今日は
収益性の高いメニューを増やしながら
優良な新患を引き寄せ、
158万円もの売上を上げた

屁理屈なしの方法について
出し惜しみなくお伝えしていく。

この成功事例の整体院は
100台程度の広い駐車場の中に、

ホームセンター、ドラッグストア、
整骨院がある立地で、
来店のしやすさでは恵まれていた。

ただ、院の周辺にはライバル治療院が多く、
自動車移動の10分圏内に20院ほどが
ひしめき合っているような激戦地。

もともと自費診療
(通常、治療院は単価が
 500~1,000円未満の保険診療が主流)
の割合が高い院だったが、

保険診療への締め付けも
厳しくなることを考えると、

より自費診療の割合を増やさなければ、
というのがオーナーの以前よりの問題意識だった。

つまり、ライバルが多い上に、
「価格も高くしないと生き残れない」
というプレッシャーがあったわけだ。

治療院の数というのは、
PRTIMESのデータによると
全国でおよそ13万店舗のぼる。

この多さというのは、
コンビニが全国でおよそ5万店舗と比べると、
治療院業界の競争の激しさが分かる。

単純な話し、コンビニ1店舗見かけたら
その周辺に2店舗治療院があるという計算。

そこに「保険診療」制度の見直し、
という法律的な環境変化が加わった時期だった。

整体業界にいる社長さんなら
ご存知だと思うが、

従来整骨院や治療院は
「保険診療」という健康保険を通じた
300~1,000円程度の治療がメインだった。

本来は、事故や怪我への
対症療法としてしか保険診療はできないのだが、

患者さんにとって
安価で受診しやすいことから、

本来は自費診療(3,000円~9,000円)
でなければいけない
肩こりや腰痛、慢性疲労を
ケアするマッサージについても

無理やり「打撲や捻挫」など
ウソの診断名をつけて
施術をしている治療院が多くあった。

それが問題となり、
そういった法律違反への監視の目が
厳しくなったという背景がある。

保険診療によって
「安価に来院していた患者さん」が、
自費診療により料金が10倍近く跳ね上がるため
徐々に来院しなくなっていくというわけだ。

・競争の激化
・来院患者数の減少

この2つから、整体業界は軒並み

「きちんと施術の価値を
 理解してもらった上で、
 通い続けてもらう」

このことが重要になってきた。

彼が経営する整骨院は、
午後17時以降のサラリーマンがメインの客層だった。

その時間帯が混み合い、
予約が取りにくくなっていたため、
さらに売上を伸ばすには、

時間的に余裕のある
午前中に来院してくれる客層が必要になってた。

一般的な店舗商売に置き換えると

「高価格商品を買ってくれて、
 かつ、午前中にお店に来てくれる新しい客層」

これを集客したかったというわけ。

さてあなたなら、
どのようにこの難しい集客を成功させるだろうか?

主婦層にターゲットを絞って大成功

彼は、アドバイスに従い
「ターゲットを絞ること」から始めた。

調べてみると、
彼が住む地域の出生率は1.55。

全国トップの沖縄が1.94ということを考えれば、
決して高い数字ないが、

周辺の県の出生率が
1.31であることを考えると
彼の県内では出生率は良い地域だと言える。

そこで、お子さんを持つ主婦向けに
「産後の骨盤矯正」を提供することにした。

チラシには可能な限り
子供連れだった方の喜びの声を配置した。

さらにキッズスペースの存在や、
子供の面倒はスタッフが見れることを記載した内容にし、

子供連れでも
気軽に来院できる雰囲気を伝えられる内容にした。

さらに内容に関しては、
あえて「治療」系統の内容を一切含まず、

産後骨盤矯正で来られる患者さんの
隠れた根本的な欲求である

「綺麗になりたい」
「元の体型に戻りたい」

というニーズをストレートに
キャッチする内容でチラシを作成。

比較的治療院で配布する
チラシの内容としては珍しい内容だった。

間接競合が
エステやダイエット関係になってくるため、

治療院では認知度やイメージの点で勝てず、
正直少し心配していたというのが本音。

一般的な「治療」を
ターゲットにしたチラシではなく、

あくまでも「美容」方面の
欲求を抱えた人をターゲットにした内容のため、

30人ほどの反応(0.075%)が
あれば十分だろうと考え、
チラシの配布に踏み切った。

チラシは40,000部印刷し、
20,000部ずつ2回に分けてポスティングしました。

2回に分けた理由は
「1度に新患さんが来院しすぎると
 予約の取り損ねがあるのではないか」

という点と、

「忙しくなりすぎて
 院内での患者さん対応が雑になってしまうのでは」

というオペレーション上の理由からだ。
そして、結果は驚くべきものだった。

34人中30人が継続通院となり
売上158万円を達成。

4万部のチラシを配布し、
34名(0.085%)の新患が来院。

最初のプランが通常施術の半額で2,500円。

さらに、5万円のプリペイドカード購入をし、
継続通院された患者さんが
30名(全体 の88.2%)にものぼった。

2,500円×34人= 8万5,000円
5万円×30人=150 万0,000円

合計158万5,000円
(通院ごとの窓口一部負担などは除く)

かかった経費は、
印刷コストが6万8,000円、
折込み費用が11万6,000円だっため、
利益としても140万1,000円になった。

これははっきり言って、
予想していた以上の大成功。

で、大事なのはここから。

どうしてこのような
大成功を収めることができたのか?

なぜ9割弱が「継続通院」となり
大きな売上に繋がったのか?

予想以上だったのは何といっても、
反応数あたりの継続率がかなりよかったこと。

これは
「痩せる」「キレイになる」という欲求が

「痛みを取りたい」などのニーズ欲求と比べて、
ウォンツ欲求に近かったことが理由だと考えられる。

一般的にニーズ商品よりも
ウォンツ商品のほうが、
購入金額も高く、期間も長くなりやすい。

ニーズ商品とウォンツ商品を
それぞれシンプルに表すと

ニーズ商品というのは
生きていくのに必要な商品。

ウォンツ商品というのは
生きていくのに必要ないけど
自分の欲求を満たすために買う商品。

という感じ。

つまり、
施術前のお客さんの内心は

・産後で体型が崩れちゃったけど、
 やっぱり骨盤矯正とかしたほうがいいのかな?

・治療院行ってみたいけど、
 子どもの世話をお願いできるアテもないし…

・産後、体型が戻りにくくなってしまった…。
 ずっとこのままなのかな?

このような悩みを抱えていた。
ここで、こういった悩みや不安を
解消するチラシの内容にした結果…

・やっぱり今のうちに体型を戻しておかなきゃ…

・ここなら子供連れでも行きやすそう!

・こんなところでも産後の骨盤矯正をしてくれるんだ!

このように
「自分の悩みを解決してくれる整骨院だ!」
ということをたった1枚のチラシで伝えたわけだ。

何よりもお客さんの本音というのは、
「初めて行くお店は、期待よりも不安の方が大きい」
といいうこと。

「新規集客」の時のお客様は疑心暗鬼…。

「不安」と「疑い」の気持ちでいっぱいなわけ。

そこで、今回大成功したチラシでは、
以下の3つのポイントを
重点的にケアした内容になっており、
それが成功の秘訣となった。

1.施術者とお客様の笑顔の写真を多数配置
2.キッズスペースがあり、それを喜んでいるお客様の写真
3.サービス提供プロセスをキチンと写真で示す

1.施術者とお客様の笑顔の写真を多数配置

チラシを見て
「いいな」「やってみたいな」と思ったとしても、

「本当に効果があるのかな ? 」
「自分には効果がないのでは ? 」
「実績は ? 他の人では効果出てるの ? 」

このように
「買わない理由」「思い留まる理由」が
次々と頭に浮かんでくるのが新規のお客さん。

こういったことを
「大丈夫です よ!効果があります!」と
お店側が主張しても、
どうしても信じられない。

そこで、活躍するのが
「お客さんと施術者とで笑顔の2ショット写真」

これを撮り、
そこに「こんな効果がありました!」といった
実際の 使用感を掲載する方法。
(薬機法が厳しくなっているので表記には注意してください)

このことにより
「他のお客さんが
 顔出しでオススメしてくれてるんだから、
 嘘はないだろう」

「自分と同じような症状で悩んでる人が
 効果が出てるので、大丈夫だろう」

「たくさんの人が効果が出てるので、大丈夫だろう」

このように受け取ってもらうことで、
最初の来店に伴う不安を
ようやく乗り越えてもらえるわけだ。

2.キッズスペースがあり、
 それを喜んでいるお客様の写真を掲載

「子どもを預けるアテがない…」

これが、来院しない理由になり得る以上、
ここをフォローすることで
来院者数を最大化することができる。

しかも、それを
「キッズ スペースがあります!」とするのでなく
「キッズスペースがあり助かりました!」と
お客様の声として紹介することで、

本当に患者さん目線で接してくれる院なんだな、
という印象を持たれやすくなるわけだ。

また、キッズスペースがあるとはいえ、
人に子どもの世話を任せるのは不安なもの。

そこも「お客様の声」として

「他の患者さんもお子さんを預けて、
 施術を受けられてますよ」

と示すことができる。

ただ「キッズスペースがあります!」
とするだけとは、

比べ物にならないくらい、
行動へのハードルを低くすることができるのが
「お客様の写真を掲載すること」なわけだ。

3.サービス提供プロセスをキチンと写真で示す

お客さんが「欲しい!」と思うのは
「商品やサービスを実際に使ったとき」や
「メリットを得られたとき」のイメージが、

お客さんの頭の中で
映像で浮かんだ瞬間と言われている。

このため、写真を使い、
サービス提供のプロセスを
きちんと順番を追って示すことで、
イメージをしてもらいやすくなる。

また、イメージしてもらうことで
「大丈夫かな?」という
購入前の不安感を解消することができる。

いかがだったでしょうか?

競争が激しく、
価格を上げても通院し続けてもらわなければいけない…

という難しい状況だったとしても、
きちんとお客様の目線で集客ツールを作り込むことで、

十分に売上や集客に関する問題を
マーケティングで解決することができる。

ぜひ、あなたも考えてみてほしい。

「新規のお客様が不安に感じていることは何なのか? 」
「いいな、と思っても、来店を思いとどまらせる要素はなんなのか?」

この質問への答えが、
あなたのビジネスの集客数を
倍増させるヒントになることは僕が保証する。

ーやなぎおか

PS.
今回の内容が好評ならシリーズ化して
他の業種なんかも
詳しく解説していきたいと思っている。

こんな業種の事例が知りたいとかあれば
このメールに直接連絡くれてもいいし、
問い合わせフォームから連絡でもOK。

確約はできないけど、
共有できそうなのがあれば
定期的に公開していく。

是非、あなたの意見も聞かせてね。